Chromosphere

私の中にある妄想の一片をここに流していきます。



Explanation*
   神と人が共存する世界。 太陽と月が欠けだす頃 全てが廻り始める    
   ***    
   イラスト中心創作ブログ    
   リンクフリーです。リンク画像は増やす予定です。    
       
   
Information*
   2016/01/03 魔唱族の紹介を投稿しました。    
   2015/09/18 新しいお話を投稿しました。    
   2015/09/08 常闇の一族の紹介を投稿しました。    
Categorys*
   イラスト       ストーリー       世界観    


不快な電子音が鳴り響く
ここに連れてこられてから1ヶ月たつけど全然慣れないな・・・
「う・・・気持ちわるい・・・」
昔の夢を見ていたようだ。
思い出したくもない記憶だったが生きていく上で必要な事だったと言い聞かせていた。
「レウ大丈夫?」
お隣さんのサツキはここに来てから知り合い、今では最も大切な人だ。
「うん。大丈夫。昔の夢、見ただけだから」
「そっか・・・辛いね」
自分を心配してくれる人がいる。そう思うだけで胸が苦しくなった。
「サツキだって昨晩はうなされていたよ?」
「はは・・・ぼくも昔の夢を見ていてね・・・」
二人の過去は決して良いものではない。
レウは犯罪に手を染め、サツキは薬に溺れていた。
互いに生きる為とはいえ「更生の見込みが無い」と判断されここに連れてこられたのだった。

二人が居るこの施設は【第二キメラ製造研究部】という。
公には公表できないような実験を行っている。

「はぁ・・・今日はぼくだってさ・・・何されるんだろう」
「・・・・・」
返す言葉が見つからない。「大丈夫」の言葉でさえここでは刃物になりえる。
「死なないでね・・・」
「レウ?」
いつの間にか泣いていた。自分でも気が付かないほどに静かに涙を流していた。
「ふふっレウは心配性だな。ぼくはレウよりここに居る期間が長いんだよ?手術だって何度もやってる」
確かに彼の体は傷だらけだった。外からは見えないが内側はかなり改造(いじ)られているらしい。
「でも・・・」
「聞いた話だと、今回は目を換えるんだって。鳥人化計画ってやつ」
サツキは笑ってみせた。笑顔の奥に不安が見えた気がした。





騒ぎ声が聞こえる・・・研究者たちが叫んでいるの?
サツキが手術に行ってから数時間が経っていた。
「容体が急変しました!」
「おいおいおいおい!!どうなっているんだ!?こいつは1年掛けて準備してきたヤツだぞ!!」
「出血多量。血が止まりません!!」

「・・・・・!!・・・サ・・・ツキ・・・!?」
手術室が開いた時に見えたのは手術台から垂れ下がる真っ白い腕だった。
「いやだよ・・・・・嘘・・・だよね?」
うそだうそだうそだうそだうそだうそだうそだうそだうそだうそだうそだ
「サツキ・・・サツキ・・・!!・・・いやだよ・・・・一人にしないでよ・・・サツキーーーー!!!」
置いて行かないでよ。独りぼっちはいやだよ・・・・




「くるみ大丈夫?」
オレンジの瞳がこちらを見ていた。
「夢・・・かぁ・・・」
安堵と共に涙が溢れてきた。
「絶対に一人にしないよ」
キラはそう言って抱きついた。
「うん・・・ありがとう・・・」
「ご飯出来てるから早く食べよう。アキラも待ってる」
「うん」
平和な1日が始まる。